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【ED①夫婦がよりを戻すルート】02　今だけの幸福【デイヴィス視点】

「デイヴィス……？」「おかえり、ローザ！」

(资料图片)

驚くローザにかけよると、僕はローザを抱きしめた。いつもなら、さけられるか『そういうのはいいから』と断られてしまうのに、今のローザは大人しく僕に抱きしめられている。

「ローザ？」

不安になって腕の中のローザを見ると、頬は赤く目はとろんとしていた。

「お酒を飲んだの？」「……うん、ワインがおいしくて、少し飲みすぎてしまったの……」

酔ったせいで無防備になっているローザをかわいいと思うと同時に、僕がこんなに心配しながら待っていたのにとも思ってしまう。

「こんなに遅くなるなんて……心配したんだよ？」「……？　遅くなると連絡をしたわ」

僕の腕の中でほろ酔いのローザは「連絡がこなかったの？」と首をかしげた。

そうだった。今日は帰りが遅くなると事前に連絡があった。そんな連絡を一度もしたことがない僕が、ローザを怒る資格なんてない。

どうして僕は、いつもこんなに自分勝手なことを考えてしまうんだろう？

必死に変わろうとしているのに、いつまでもローザに甘えてしまい情けなくなる。

「連絡はあったけど、君を待ちたくて、僕が勝手に待っていたんだ。だれかを待つってつらいんだね」「うーん……？」

ローザは、眠そうに目をこする。

「そうね。でも、無事に帰って来てくれたら嬉しかった」

目を閉じたローザは、「私は、好きであなたを待っていたわ」と言いながら僕の胸に身を預けた。

もう過去形になってしまった言葉が苦しくてつらい。

でもローザにさけられないことが嬉しくて、僕はさらに強くローザを抱きしめた。

「ローザ……今まで本当にごめん。僕は、絶対に変わってみせる。そして、今度こそ君にふさわしい男になるよ。帰ってきてくれて、ありがとう……愛している」

気がつけばローザは、僕の腕の中で穏やかな寝息をたてていた。

側に控えていたジョンに「ローザは、僕が運ぶよ。君も、もう休んで」と伝えると、ジョンは礼儀正しく頭を下げてから去っていく。

僕は、起こしてしまわないように、そっとローザを抱きかかえた。

ローザの部屋に運ぼうかと思ったけど、腕の中で眠るローザが愛おしすぎて、悩んだ末に僕の部屋に運んだ。そっとベッドに下ろすと、身じろぎしたローザの額にキスをする。

「何もしないから、一緒に寝るのはゆるして……」

ローザが起きたら『契約違反よ！』と、ものすごく怒られそうだ。

こういう自分にだけ甘いところがダメなんだとわかっているのに、僕は『今日だけ、今日だけだから。明日からがんばるから！』と必死に自分自身に言いわけをする。

僕は、ベッドに潜り込むと、眠るローザを抱きしめた。温かくてやわらかくて、ワインの香りと共に、ローザの優しい香りに包まれる。

胸がいっぱいになって、無性に泣けてきた。

幸福なこの時間を少しでも長く味わっていたかったのに、ローザの体温があまりに心地好くて僕はすぐに深い眠りに落ちてしまった。

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